先日、ベストセラーの「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット 共著)を読了しました。
この本を読み、個人的にはかなりの衝撃を受けました。
LIFE SHIFTは「”人生100年時代”の人生設計」をテーマに書かれた本なのですが、私自身はこの本を読むまでは、祖父の亡くなった年齢と同様に80年間くらいまで生きるんだろうな、と想像していたのですが、今20代である私は50%以上の確率で100年間生きることになると初めて認識したからです。
自分の想像より長い人生を送ると分かったことで、今後の人生で取る選択肢や人生設計を変える必要があると熟考するきっかけとなる本でした。
そこで本記事では、近年話題になっている「人生100年時代」とは何なのか?「人生100年時代」で何が変わるのか?を紹介しつつ、現在20代の私自身が「人生100年時代」でどう人生設計を組み立てようと考えているか紹介させていただきます。
“人生100年時代”とは?
「人生100年時代」とは、ベストセラーの”LIFE SHIFT”で広く知られることになった概念で、平均寿命や健康寿命の延伸により、100歳まで生きることが当たり前になる社会を指す言葉となります。
医療技術の発達や経済成長(個人の所得の向上)が起因し、人々の寿命が現在伸び続けています。具体的には、
- 今先進国で生まれる子の50%は105歳以上
- 20歳の50%以上は100歳
- 40歳の50%以上は95歳
- 60歳の50%以上は90歳
まで生きるとされています。
人生100年時代になることで「雇用」「お金」「生活」などについて、今までの時代と大きく異なるようになると言われてます。
“人生100年時代”で何が変わるか?
ここからは人生100年時代で具体的に何が変わる可能性が有るかを紹介していきます。
まず1番大きな変化は「ライフステージ」が変わることです。
今までは「①教育(~20歳) → ②仕事(~60歳) → ③引退(~80歳)」という3ステージのモデルが一般的でした。平均寿命が70~80歳の際にはこのモデルは機能していましたが、人生100年時代ではこのモデルは成り立ちません。
100歳まで生きる場合、60歳からの引退後の40年を生きると考えると、通常は「お金」が足りなくなるからです。引退後は”資産の取り崩し”や”年金”を元に生活する方が多いと思いますが、年金制度が改悪されつつ有る中で、40年間無収入で生きることは経済的に不安定と考えられます。
そのため、仕事期間を70~80歳まで伸ばして収入を得ることが考えられますが、テクノロジーにより雇用の在り方が大きく変わっている現在では、1つの職業・スキルで70~80歳まで仕事をすること難しいと考えられています。
AIなどのテクノロジーで雇用の在り方が大きく変わり、20歳から70~80歳までの間にスキルが陳腐化してしまうからです。
これらの状況を踏まえ、人生100年時代では複数のステージを経験する「マルチステージ」の人生設計が提唱されています。
以下のようなステージを移行を繰り返しながら複数経験し、自身の在りたい自己像に向けて自ら取り組む必要があります。
- エクスプローラー(探究と自己発見のステージ)
- 自分の価値観や興味を探るために、旅・留学・学び直しなどを行う期間
- 収入よりも「知的興奮」や「成長」を優先するフェーズ
- 有形資産より無形資産(スキル、ネットワークなど)を蓄える重要なフェーズ
- 例:旅・留学・学びなおしなど
- インディペンデントプロデューサー(自分の職を生み出すステージ)
- 組織に属さず、フリーランスや起業などで価値を創出する
- ビジネスの規模より「自由と柔軟性」を重視
- 例:個人事業主、クリエイター、コンサルタントな
- ポートフォリオワーカー(複数の活動を同時並行で行うステージ)
- 有給の仕事、地域活動、趣味、ボランティアなどを組み合わせて生きる
- 収入源を分散し、リスクを減らしながら自己実現を図る
- 例:週3日会社員+週2日NPO活動+週末はアーティスト
人生100年時代では、自身の在りたい自己像に向け、移行・変身を繰り返すことを前提とした人生設計が求められてきます。
“人生100年時代”の私自身の人生設計
上述の通り、人生100年時代では「マルチステージ」を前提とした人生の組み立てを検討する必要があります。
私自身はこの本を読む前からマルチステージを前提とした人生を想定しており、以下記事で紹介した通り、私は「20代で7000万円の資産を作りサイドFIRE(セミリタイヤ)を実現したい」と考えています。

20代はお金を稼ぐ期間と割り切っており、まずは人生の土台となる資産を築きたいと考えております。
ただ、20代で資産を築いた後の人生設計を想定できていませんでしたが、この本を読んで、セミリタイヤ後は一度「エクスプローラー」の時期を経て、改めて「理想の自己像」を探す期間を作りたいと確信しました。
「エクスプローラー」のステージの中で、旅や学びなおしを行い、30代以降の人生で何に熱中すべきかを熟考したいと考えています。
そのうえで会社員ではない働き方や活動(インディペンデントプロデューサーやポートフォリオワーカー)を経て、より充実した人生を送りたいと考えています。
今はこのブログ運営のような活動を行っており、「仕事(お金を稼ぐステージ)」から「エクスプローラー」への移行時期に該当すると思ってます。
私も人生100年時代で、長寿化の恩恵を受けて豊かに生活するためにも、マルチステージのを前提とした人生設計を引き続き模索していきたいと思います。
最後に
人生100年時代では、これまでの「教育→仕事→引退」という単線的な人生設計が限界を迎えつつあります。今後はマルチステージ型の人生を前提に、自分だけの道を柔軟に描く必要があります。
長寿という恩恵を豊かに享受するためにも、「ありたい自分」を探求し、時代に合ったスキルを身につけながら、自分の力を発揮できるフィールドを創出することが求められます。
この節目に、ご自身がこの人生100年時代において「本当に実現したいこと」は何か、改めて向き合ってみるきっかけになれば幸いです。